(文字起こし)

この前,普通に道歩いとったら,買い物行こうとしてな,急に上向いてたら,空を飛んでる人がいるような感じ.上から落ちてくる人がおってな,住宅ビルの5階とかから.これってパフォーマンスちゃうかなーって最初思っててんけど,せやけどバンジージャンプでもないし,何も紐とか付いてへんし,あら,と思って,その瞬間気がついて.こと人って死ぬんやろなって.飛び降りの場面をそのまま目撃しちゃったというのがあって,すごい衝撃で.

自分が歩いてるとこの200メートルぐらい先に,ドーンって,コンクリートに当たって.これは死んどんやろなと思って,どうしようもないと思って.もう泣いて泣いて,わたし.ほんま辛いゆうか,なんてゆうか,もうしようがないということやねんな.

この人って,いつ死んだんやろって.空を飛んでるとき?2,3秒間ぐらいは飛んでて,地面に当たった瞬間に死んだのか,それかそのあと死んだのか,それか「今日は飛び降りるわ」ってその計画を立てたときにすでに死んでたのか,とゆうような考え事の観覧車みたいにぐるぐるぐるぐる回んねんな.どうなのか,これって.こういう考え事ってわたしの中から勝手に出てきて,これをきっかけに.

この出来事のおかげて,ってゆうのもおかしいけど,それをきっかけに地域の人たちと知り合いになったし,友達んなったし.泣いてるわたしに,やさしい人がやってきて,肩に手を乗せてくれて「大丈夫?」とかゆってくれて.ほんで,ずっとその人そばにおってくれはってん.すごい心のあったかいところを感じた.

結局はみんなで,3人やってんけど,酒持ってきてくれはって,「呑もか?外で」ゆうて,「たばこいる?食べ物いる?」とかゆってくれて.そいで,いろんな世間話して,自殺の話もして,ほんま不深い話もしたし,だからすごく,その夜出会えてよかったねって思うねん.

ゆうたら,自殺とか死ぬ事ってさ,すごい汚いゆうか,汚れてるゆうかなんてゆうかな.あんま話したくないし,そんな事柄があるなんてこと,考えもせへんやろし.せやけど,目の前に人が死んだら,それか,自分の親が死んだら… あのー,わたしの親もそろそろてゆうか,あと十数年ちゃうかなみたいな感じ.なんせ人が死んだら考えんねん,色んなこと.わたしって一体何をやってんやろとか,この人生って一体どこに向かってんやろなとか.虚しくなるねんな.いい意味で虚しくなる.儚さを感じるし,その人生の無意味なところも感じてくるね.いい意味でも悪い意味でもなくて,ただ,決まった意味がないし,行方ないし,来し方ないし.だから,わたしという個人も,意識的成り立ったわけじゃなくて,「あ,これからわたし存在しよう」って決めたわけちゃうねやんか.その筈がない,だって矛盾やんか.もし「存在しよう」って決めたんとしたら,それを決める動作主って誰やねんってつっこみが入る.自分の存在の開始を自分で決めることはないってこと.
同じように,不思議なところからきた「わたし」という存在も,不思議に人生を送って,んで不思議に死ぬんやろな.意味なく.

意味なく.意味裕福に.

ということがありました.

それで,すごく重たいなと思ったのは,生まれるというよりも,その個人が成り立つ時点に,名前付けて,キャラ出てきて,「お前はお前やね」って言えるような状態やったら,何があっても「お前はお前やな」っていつまでも言えるわけ.仮に名前が変わっても,住所変わっても,違う言語で話してても.何やっても「お前はお前やな」,お前をお前としてしか認識できないわけ.やのに,存在することに本来の意義って果たしてあるのか,という疑問と,生まれることと死ぬことの違いって何なんだ.とゆう考えをしたわけなんよ.

結論としては,ないんやな.生きてても死んでても一緒やし.わたしが「死のう」って決めても,人の人生にも世の中の動きに変わりはないし,そのまま何もなかったかのように続いていくわけやし,わたしの知り合いもやがて死んて,新しい人が生まれてきて.ほんでやがて,何百万億年後に太陽が膨らんできて,地球を吸い込む見込みだ.だから,その時点で人類が絶滅するわけ.人類が絶滅したら,まさに何もなかったかのように,まさに生き物が一切なかったも同然やね.なにも,宇宙のこの辺りに人類や生き物があった気配もなくなるし.地球ができて,由来不明の生き物が不思議に暮らしてて,同じく不思議に消えていくんやろな.なにも疑問も不自然なことはない.「会うは別れの始まり」って,そりゃそうやって感じ.